ガイドAIにより執筆
オンプレミスとクラウドの違い 費用・責任・移行の考え方
自社で環境を持つオンプレミスと、事業者の環境を借りるクラウドの違いを、デジタル庁と総務省の資料をもとに整理する。費用、セキュリティの責任、併用と移行の進め方まで。
システムを新しくするとき、「自社でサーバーを持つか、クラウドに置くか」は避けて通れない選択である。以前は自社で持つ形が標準だったが、いまはクラウドを選ぶ会社が増え、政府の情報システムでもクラウドを第一の候補とする方針が出ている。ここでは二つの違いと、費用や責任の分け方、移行の進め方を整理する。
オンプレミスとクラウドとは
オンプレミス
オンプレミスは、データセンターやサーバー室などの自社の管理下にある設備に、情報システムを置いて運用する形である。デジタル庁の基本方針(DS-310)は、オンプレミスを「従来型の構築手法で、アプリケーションごとに個別の動作環境(データセンタ、ハードウェア、サーバ等)を準備し、自らコントロールするもの」と説明している。
クラウド
クラウドは、事業者が用意した計算資源をネットワーク経由で必要なときに使う仕組みである。総務省の平成30年版情報通信白書は、データやアプリケーションなどのコンピューター資源をネットワーク経由で利用する仕組みと説明している。NISTの定義では、資源を利用者が必要に応じて自分で用意でき、使った量に応じて測られる点が特徴とされている。IaaS、PaaS、SaaSの違いはクラウドとはにまとめている。
違いを比べる
| 比べる点 | オンプレミス | クラウド |
|---|---|---|
| 設備の持ち主 | 自社(またはデータセンターで借りた自社専用の設備) | 事業者 |
| 初期の費用 | 機器の購入、設置、構築の費用がかかる | 初期費用を抑え、使った分を払う形が多い |
| 増減への対応 | 機器の追加や入れ替えが要る | 設定で増減できる(NISTの「迅速な拡張性」) |
| 運用 | 機器の保守、更新、障害対応を自社が行う | 事業者が担う範囲が広い |
| セキュリティの責任 | 設備から業務アプリまで全てを自社で考える | 責任共有モデルで事業者と分け合う |
| カスタマイズ | 自由度が高い | サービスの仕様の範囲内 |
| データの置き場 | 自社の設備 | 事業者の設備(地域を選べる場合がある) |
セキュリティの責任については、DS-310が次のように整理している。オンプレミス時代のアプリケーションでは、ハードウェア、OS、ミドルウェア、業務アプリから設備や運用まで、全てのセキュリティ対策を考慮する必要があった。クラウドでは責任共有モデルにより、クラウドが提供するものは事業者(CSP)が責任を負い、利用システムはその利用についてのみ責任を負う。利用システムの責任は、業務アプリケーション、利用者の端末、運用、クラウド利用における設定、アカウント等に限られる。
総務省の第3版ガイドラインは、クラウドでは、従来のオンプレミスでの情報セキュリティ対策に加えて、クラウド特有の対策が必要になるとも述べている。クラウドにすれば対策が不要になるわけではない。
メリットと注意点
クラウドのメリット
- 機器の調達を待たずに使い始められる
- 保守や更新の負担が軽くなる
- 需要に応じて増減できる
クラウドの注意点
- 利用料が続く。使い方によっては、数年で自社設備より高くなる場合がある。使う量の見込みで試算する
- 設定を誤ると情報が外から見える状態になる(総務省ガイドラインが指摘する点)
- 事業者の障害や仕様変更の影響を受ける
オンプレミスのメリット
- 設備、ネットワーク、データを自社で管理できる
- 既存の機器やソフトを活かせる
オンプレミスの注意点
- 機器の更新、障害対応、バックアップ、セキュリティ更新を自社で担う
- 需要が増えたときに、機器の調達が間に合わないことがある
向いている場面・向いていない場面
- クラウドが向く場面: 立ち上げを急ぐ、需要の増減が大きい、運用の担当者が少ない
- オンプレミスが向く場面: 社内規程や契約でデータを自社の設備に置く必要がある、既存設備の稼働期間が残っている、専用の機器と接続する
- どちらでも共通する点: 運用と設定を誰が見るかを先に決める。担当がいないまま細かい構成を選ぶと、どちらの形でも問題が起きやすい
併用する形(ハイブリッド)もある。NISTのハイブリッドクラウドは、二つ以上の異なるクラウドを、データやアプリケーションの移植ができる技術で結びつけたものである。Microsoft Azureは、Azure Arcによるハイブリッド運用ができると案内されている。
同じ製品の提供形態
オンプレミスでもクラウドでも使える製品は多い。Nextcloudは自社のサーバーで運用でき、ERPNextも自社のサーバーで運用できるオープンソースのERPである。n8nはDockerやオンプレミスで自社運用ができ、Difyはクラウド版と、Dockerで自社運用するコミュニティ版がある。国産ERPのGRANDITはクラウドでの提供も案内している。SAPのクラウド型ERPであるSAP S/4HANA Cloudや、Oracle NetSuiteのようにクラウド前提の製品もある。提供形態は、製品ごとに公式サイトで確認する。
選ぶとき・進めるときの手順
- 対象のシステムごとに、置く場所の決まり(社内規程、取引先との契約、業界の指針)を確認する
- システムの停止が許される時間、データの量、利用者数の増減の見込みを整理する
- 5年程度の総費用を、機器、ライセンス、運用の人手、利用料で比べる
- クラウドを選ぶ場合は、責任共有の分担と、設定の担当者を決める
- 移行は、業務への影響が小さいシステムから始める。デジタル庁の基本方針は、クラウドへの移行後にシステムを刷新するタイミングも論点にしている
- 移行後も、設定、アカウント、ログを定期的に見直す
よくある質問
政府はクラウドを優先しているのか
DS-310は、政府情報システムのシステム方式について、クラウドサービスの採用をデフォルト(第一候補)とし、そのうえでクラウドを適切に利用するための考え方を示している。民間の会社に同じ決まりはないが、判断の参考になる。
クラウドの方が必ず安いのか
安くなるとは限らない。初期費用は抑えられるが、使う量が多く期間が長いと、総額が増える場合がある。見込みで試算する。
オンプレミスのほうが安全か
安全かどうかは、設備の置き場所よりも、運用の体制と設定で決まる。オンプレミスでは全てを自社で担い、クラウドでは事業者と分け合う。
併用してよいか
よい。NISTにもハイブリッドクラウドという形がある。たとえば基幹のシステムは自社の設備に残し、新しく作るシステムはクラウドに置く、というように、システムごとに置き場所を決める。
次にやること
- システムの一覧に、置く場所の決まりと停止が許される時間を書き加える
- 候補のクラウドの責任共有の分担表を入手する
- 大全の開発・インフラの一覧で、料金の形と無料枠を確認する
出典
この記事は公式の発表をもとに AI が執筆し、サービス・システム大全 編集部が確認しています。誤りに気づいたときは 訂正の窓口 からお知らせください。