新機能・アップデートAIにより執筆
新リース会計基準へ契約書を集約、パリミキがContract One導入
賃貸借契約が契約書の約7割を占めるパリミキホールディングスが、新リース会計基準に向けてContract Oneを導入した。AIが担うのはリースの判定と根拠の提示までで、延長の見込みや会計システムへの渡し方は会社の判断として残る。
メガネ店を国内に593店、海外に35店(9月30日時点)構えるパリミキホールディングスでは、契約書の約7割を賃貸借契約が占める。
Sansanは10月30日、同社が契約管理サービスのContract Oneを導入したと発表した。拠点や部門に分かれ、紙の原本やExcelの台帳で管理していた契約書を一つに集め、2027年4月以後に始まる事業年度から上場企業などに適用される新リース会計基準に備える。
もっとも、AIが担う範囲は、契約書がリースに当たるかの判定と根拠の提示までだ。店を続ける見込みの判断と、会計システムへのデータの渡し方は、会社に残る。
借りている店舗も、貸借対照表に載る
新リース会計基準の正式な名前は「リースに関する会計基準」。1企業会計基準委員会(ASBJ)が2024年9月13日に公表した。借手は原則として、IFRSのリースの基準と同じく、オペレーティング・リースを含むすべてのリースを使用権の取得とみて、資産と負債を貸借対照表に計上する。
適用は2027年4月1日以後に始まる事業年度の期首からで、2025年4月1日以後に始まる事業年度から早めて適用してもよい。中小企業については、ASBJの注記によると「中小企業の会計に関する指針」などが用いられる。
題に「リース」と書いていない契約も判定の対象になる点が、厄介だ。
ASBJは契約の名称にかかわらず基準を当てはめるとし、旧基準でリースとして処理していなかった契約にリースが含まれる場合があるとみる。Sansanも、パリミキの賃貸借契約の多くが対象になる可能性があるとした。
対応はおおむね次の4段で進む。
- 全社に散らばった契約書を集める
- 1件ずつ、リースに当たるかを判定する
- 短期リースや少額リースの例外に当たるかを確認する
- 判定の結果を、会計や固定資産のシステムへ渡す
AIの判定と、人が入れる延長の見込み
Sansanが8月6日に加えた「新リース会計基準対応機能」が受け持つのは、このうち2と3。1は契約書のデータ化で、4はCSVの出力で支える。
契約書を取り込むと、AIが条文を読み取り、リースに当たる可能性のある資産を自動で識別する。担当者が候補を見て登録すると、AIは「サプライヤーの実質的な代替権がないか」といった基準の要件に照らして該当の可能性を判別し、根拠と一緒に示す。結果の一覧は、契約書台帳とは別の「リース契約台帳」に資産ごとに作られる。
短期リースと少額リースに当たるかも、AIが金額や期間などの根拠を添えて一次判定する。最終判定は担当者の仕事。
見落としやすいのが期間の数え方だ。ASBJの基準では、短期リースは借手のリース期間が12か月以内で、購入オプションを含まないリースを指す。この借手のリース期間には、解約できない期間に加え、借手が行使することが合理的に確実な延長オプションの期間なども含まれる。
では、契約書の期間が1年の店舗は短期リースとして扱えるのか?
定義に沿えば、延長の定めがあり、それを使って営業を続けることが合理的に確実なら、借手のリース期間は12か月を超える。短期リースには当たらない。
Contract Oneでは、延長や解約のオプションを行使する見込みを担当者が入力すると、リース期間や短期リースの該当性が自動で計算し直される。条文で決まる部分はAIが、事業の見通しで決まる部分は人が受け持つ分け方である。
なお、少額リースには、旧基準で使われた1件当たりリース料総額300万円以下の判定を引き継ぐ定めもある。
判定のあと、会計へどう渡すか
ほかの契約管理サービスも、2025年から対応を発表してきた。違いが出るのは、どの契約書を判定するかと、判定のあとにどこへ渡すかである。
| サービス | 新リース会計基準の機能(発表の時期) | 判定する契約書 | 判定のあと |
|---|---|---|---|
| Contract One | 新リース会計基準対応機能(2026年8月) | 取り込んだすべての契約書 | リース契約台帳とCSV出力 |
| LegalOn Cloud | 新リースプレイブック(2025年3月) | 審査する新しい契約書 | 経理部門との連携漏れを防ぐ |
| マネーフォワード クラウド契約 | リース識別エージェント(2025年12月) | 締結した契約書 | クラウドリース会計で算定と仕訳 |
| クラウドサイン | ファーストアカウンティングの経理AIエージェントと連携(2025年12月) | クラウドサインに保管した契約書 | 根拠を含む結果をCSV出力 |
| ContractS CLM | 別製品のContractS契約管理PROに搭載(2025年11月) | 台帳に集めた契約書 | CSVかAPIで会計や固定資産管理のシステムへ |
| MNTSQ CLM | 公式サイトで確認できず | - | - |
| KING OF TIME 電子契約 | 公式サイトで確認できず | - | - |
記載のない2件は10月30日に公式サイトで機能を見つけられなかったもので、未対応という意味ではない。
入口は2つに分かれる。LegalOn Cloudの新リースプレイブックは、審査の中で基準の対象になりそうな新しい契約を見つけるチェックポイントのテンプレートだ。適用後に結ぶ契約の見落としを防ぐもので、すでに結んだ店舗の契約を一から洗い出す用途とは向きが違う。一方、ほかの4つは締結して保管している契約書が対象だ。クラウドサインの連携には、コーポレートプラン以上の契約とファーストアカウンティング側の契約が要る。
もう一つの違いは、判定のあとに受け持つ範囲。マネーフォワード クラウド契約のリース識別エージェントは、根拠条文や仕訳に必要な要素まで抜き出す。同じシリーズの「マネーフォワード クラウドリース会計」と併せて使えば、使用権資産とリース負債の算定や仕訳の作成までつなげられる。Contract Oneの発表と案内ページには、こうした金額の計算の記載がない。台帳とCSVまでを受け持ち、計算は会社の会計の仕組みに任せる形とみられる。
パリミキが別に手を打つのも、この渡す部分だ。標準の機能だけでは同社固有の要件に応えにくいため、Sansanの新しい職種「Solution Builder」が開発を支援する専用システムで、会計処理システムへ情報をつなぐ。同社の担当者はこれで「新リース会計基準への対応に見通しが立ちました」とコメントした。
延長の見込みは、だれが入れるか
導入を考えるなら、まず契約書の置き場所と件数を数えたい。Contract Oneは紙の契約書のスキャンも代行する。ただ、どの部門に何があるかを集めて回るのは社内の仕事である。
次に、延長の見込みを入力する人を決めておきたい。店の今後を知る店舗開発と、判定を締める経理の間で担当と期限を決めないと、AIの判定は条文どおりのまま残りかねない。
会計システムが受け取れる項目も、経理と並べておきたい。CSVの列で足りるのか、パリミキのように連携の仕組みを別に用意するのかで、導入の段取りは変わる。比べるページでは、表の5件の掲載内容を並べられる。
なお、この機能に追加の費用がかかるか、どのプランで使えるかは、Sansanの発表と案内ページに記載がない。
AIが読めるのは、契約書に書かれた条文までだ。その店をあと何年続けるかは、どの契約書にも書かれていない。
注
-
企業会計基準第34号。 ↩
出典
- パリミキホールディングス、新リース会計基準対応に向け契約AXサービス「Contract One」を導入(Sansan)
- Contract One、新リース会計基準に対応する新機能を提供。AIが契約書を読み取り、リースの判定業務を支援(Sansan)
- 新リース会計基準の対応を効率化。AIがリース判定をサポート(Contract One)
- 企業会計基準第34号「リースに関する会計基準」等の公表(企業会計基準委員会)
- 企業会計基準第34号「リースに関する会計基準」等の公表 公表にあたって(企業会計基準委員会)
- 新リース会計基準の適用対象となり得る新規契約書の発見をサポートする「新リースプレイブック」を提供開始(LegalOn Technologies)
- 『マネーフォワード クラウド契約』、「リース識別エージェント」を提供開始(マネーフォワード)
- 『ContractS契約管理PRO』、新リース会計基準に対応した機能を実装(ContractS)
- 「クラウドサイン」と「経理AIエージェント」による自動判定ソリューションで「新リース会計基準」対応を支援(弁護士ドットコム)
- クラウドサインの契約書を「Steward」が評価・判定(クラウドサイン)
- 2026年2月アップデート(クラウドサイン)
この記事は公式の発表をもとに AI が執筆し、サービス・システム大全 編集部が確認しています。誤りに気づいたときは 訂正の窓口 からお知らせください。